目次

2026年10月26日、Artificial Analysis は Code2Video-AA を公開した。HeyGen の Code2Video Bench の独自実装で、対象はコードで短い製品/ブランド動画を設計する能力であり、「Kling/Soraのように画素を直接出すか」ではない。UIモーション、キネティック字幕、製品デモ解説の選定なら、本ベンチの方が仕事に近い。HeyGenの動画スタック近況は:HeyGen がアバターの先へ、説明文からシーン全体を生成する動画モデルを公開。

以下の数字は Artificial Analysis の 2026年10月26日発表記事(dataset 0.3.0)に準拠する。AAは後から更新されるリーダーボードも用意している。ボードが動いた場合、この記事はその発表日のスナップショットであり、永久順位ではない。

「コードで設計する」とは何か

パイプラインは意図的に狭い:

  1. AAがデザインbriefとHeyGenのシステムプロンプトを送る;
  2. 1回呼び出し・ツールなし——ブラウズも多段agentもない;
  3. モデルは HyperFrames の構図1本——レイアウト用HTMLとアニメ用GSAPの index.html——を返す;
  4. AAがそれを動画にレンダする;
  5. Gemini 4 Argon が5軸 Pairwise Eloを回し、総合は5軸平均、GPT-5.5(xhigh)=1000にアンカー。

採点対象は「コードで書いた短尺モーションが、まともなモーションデザイナーの1稿に見えるか」であり、拡散動画生成器のカメラ発明ではない。公開splitの例には、固定カメラのワイヤーフレーム録画風、キネティック字から製品reveal、チャットバブルの色サイクルなど——製品マーケ向けのモーション言語が多い。方法はAAの intelligence-benchmarking ページ Code2Video-AA 節。当サイトでは発表文と方法の整理にとどめ、再測定はしていない。

発表時の首位

規模は 27モデル × 114 brief。主なEloとAAタスクコスト:

モデル(発表断面)Code2Video-AA EloAAコスト/タスク
Claude Opus 5.5 (max with fallback)1536(1位・5軸すべて1位)約 $3.08
Claude Sonnet 5.5 (max with fallback)1443(2位帯)—
GPT-6 Astra (max)1427(Sonnetと誤差圏)約 $1.62
GPT-6.1 Sol (max)1369(4位)約 $0.31(Opusの約1/10)
Claude Haiku 5.5 (max)1192(Pareto点)約 $0.08

Opusは次点に 93 Elo。Sonnet比では craft が最大(128)、prompt intent が最小(48)。temporal consistency の分離は最も小さい。各軸の順位は総合とほぼ同じ(軸ごと最大6位の移動)で、平均が極端な入替を隠しているわけではない。

読み方の目安:余白・階層・イージングでデモが崩れるなら craft を重視。briefの「固定カメラ・ズーム禁止・指定パレット」を無視されがちなら prompt intent を見る。temporal consistency の差が小さいのは、本断面では「数秒の動きの一貫性」より「完成度とbrief遵守」の方が順位を分けやすい、ということだ。

GPT-6.1 Sol の 1369/約 $0.31 が多くの製品チームが撮るコスト話:総合4位で、AAタスクコストは Opus の 約 $3.08 のおよそ十分の一。Astra はEloでSonnet帯だが約 $1.62——Solの約 5× で 58 Elo。「このクラフト差に5倍の評価請求は見合うか」を問う数字になる。HTMLモーションの下書きを大量に回すなら Sol を表の先頭に置き、販売用・公開用の最終稿だけ Opus に上げ、AA口径で約$3/タスクのモデル呼び出しを受け入れる、という段階運用が現実的だ。

コスト幅、Pareto、オープンウェイト

全27モデルの AA タスクコストは約 $0.01–$3.89(300×超)。Elo対コストの Pareto前線に8モデル。記事で拾える点は Haiku 5.5(1192/$0.08)と Sol(1369/$0.31)。

オープンウェイトは少なくとも 483 Elo 遅れ。本断面の上位は DeepSeek V4.1 Flash (max) 1053、MiMo-V2.6-Flash/MiMo-V2.6-Pro 約 1052。ダウンロード必須なら床の参考であり、Opus同格の約束ではない。

上記のドルはすべて Artificial Analysis のタスク評価コストであり、完成クライアントフィルム、代理店工数、素材、ナレーションの見積もりではない。ベンダーが別途「動画1本あたり」の制作パッケージを出すなら、それは人件・修正・納品を含む——Code2Video-AAの$/taskは、固定brief・1回呼び出し規則の下でAAが測ったモデル呼び出しの切片にすぎない。

レンダ率とトークン形状

構図は動画にレンダされて初めて審査対象になる。発表時 3042/3078(98.8%)が成功。8モデルが 114/114、最低は GLM-5.3 (max) の 110/114。レンダ失敗は成功相手に全敗する。

タスクぁたり出力トークンは約 ~11k–176kで、差の大半は reasoning。最終答え(構図)は約 ~4k–12k。Claude 5.5系3モデルが最多(約152k–176k/タスク)、他24モデル平均約~42k・中央値約~34k。EloとAAコストが両方高い理由の一端であり、Solが安い請求で4位なのも同じ線上の話だ。

選定への使い方

混同されがちな3つの仕事を分ける:

  1. ピクセル動画生成(Kling・Sora系)——Code2Video-AAの対象ではない;
  2. 動画理解(タイムラインQ&A/検索)——対照は Gemini の動画解析は static(1FPS)か agentic か;
  3. コード設計の短尺モーション(HTML/GSAPの製品デモ、キネティック字、UI解説)——本ベンチ。

発表数字の実務カット:

  • 本評価で最高クラフト → Opus 5.5の1536と5軸全勝;
  • 強い設計を安いAA単価で → Sol 4位・約$0.31、または Haiku Pareto・約$0.08/1192;
  • GPT-6系で上積み → Astra 約$1.62でSolより約58 Elo。デモがその差を食うかで判断;
  • オープンウェイト必須 → ≥483 Eloギャップを織り込み、レンダ率とHTML/GSAPを自前QA;
  • 製品デモや字幕モーション → brief→HTML→renderに自パイプラインを照合。AAの審判を使わなくても、壊れたGSAP・悪いレイアウト・レンダ落ちは本ベンチが圧をかける失敗モードだ。

運用例:既定は安い前線モデル(本ベンチのHaikuやSol)で下書き→人のデザインレビューを通ったものだけ高Eloモデルで最終HTML→自前プレイヤーでrenderとQAしてからマーケへ。AAのコスト幅が制作費全体にならないようにしつつ、リーダーボードは相対クラフト信号として使う。

表の横に置く注意が二つ。審判は Gemini 4 Argon——同エコシステムのモデルが参加者行としても載る(発表Eloでは中位)。ペアワイズ自体を無効にはしないが、Eloは「Gemini 4 Argonがこれらの短尺をどう並べたか」であり、人間のクリエイティブディレクター盲検ではない。briefはHeyGen公開split(CC BY 4.0);社内ブランド規定・法務・ローカライズはスコアの外だ。

サイト内の別の Artificial Analysis 関連:Ant の Ming-3.0-tts が Artificial Analysis の OSS TTS 上位に。

中国語・日本語の文字組と、このベンチ設定での実制作品質については、当サイトではまだテストしていません。フィードバックはサイトフッターの管理人連絡先から受け付けています。