Kuaishou の Kling AI が手がける動画モデル Kling 4.0 には、制御の柱が三つある。1回のネイティブ生成で最長30秒、最大15点の参照素材を組み合わせる Omni Reference、そして最大10枚のキーフレームだ。これにより、偶然の当たりを待つのではなく、誰が登場し、カメラがどう動き、各場面がいつ訪れるかを指定する作り方に近づく。Kuaishou が10月16日付で出したプレスリリースによると、提供開始は2026年10月15日。DigIntoAI は Kling 4.0 を試していないため、本記事は Kuaishou の説明に基づいて機能を整理したもので、出力品質の評価は含まない。

キャラクター:Omni Reference で同一性を保つ

Kuaishou によると、Omni Reference は画像・動画・被写体・音声を1つのタスクで組み合わせられ、合計最大15点(画像は最大10点、動画は最大5点、被写体は最大7点)に対応する。キャラクター、動き、ショット、音声を意図に近づけることが狙いだ。

キャラクターの一貫性には、対応する画像の種類が特に役立つ。

  • 特定の人物・製品・物体の被写体画像
  • 複数の角度を示す三面図
  • 複数の瞬間をまとめたグリッド画像や絵コンテ
  • レイアウト用のワイヤーフレーム

動画参照では演技や動きを取り込める。Kuaishou は白モデル動画や深度マップ動画も参照に使えるとしており、先に3Dで動きを組む制作者に向く。

カメラ:動きを言葉で指定し、参照動画から借りる

Kuaishou によると、Kling 4.0 はプッシュイン、プルアウト、パン、トラッキング、追従ショット、オービットショットの理解が向上し、ショットサイズの変化やトランジションがより滑らかになった。実際の使い方は二つある。

  1. プロンプトに動きを書く。Kuaishou によると入力は8,000トークンまで対応し、場面ごとにショットサイズやカメラの動き、配置を書き込める。モデルが「監督の視点で」プロンプトを補うとも説明している。
  2. カメラの動きを参照動画で示す。Kuaishou は参照動画から取り込める要素の一つにカメラワークを挙げている。

テンポ:30秒の長回しと10枚のキーフレーム

1回の生成は最長30秒。Kuaishou は長回しや連続したストーリーテリング向けとしており、動作、場面転換、感情の盛り上がりをつなぎ合わせずに描ける。

その中の節目を決めるのがキーフレームで、最大10枚まで入力できる。Kuaishou によると、キャラクターの状態、場面の変化、物語の節目を指定できる。まず絵コンテを作り、各コマをキーフレームに割り当てる進め方がわかりやすい。

参照動画からは物語のテンポも取り込める。Kuaishou は強化された二次創作機能として、参照動画のテンポ、構図、表現スタイルを保ったまま製品やキャラクター、素材を差し替える使い方を挙げ、広告や SNS 向けコンテンツを想定している。

映像出力

Kuaishou によると、Kling 4.0 は最大10ビット HDR 出力に対応し、逆光、夜景、ネオンの場面や、ポストプロダクションでのカラーグレーディングを想定している。

Kuaishou が今後対応するとしている機能

  • 動画延長:複数回の延長で最長2分まで「まもなく対応」するとしている。
  • 4K、1080p、21:9:リリースでは今後「対応する」と記載。
  • API:企業顧客と開発者向けに API 提供を「まもなく」行うとしているが、日付は示していない。

Kuaishou によると、Kling 4.0 はすでに Kling MCP と CLI に統合されており、AI エージェントから Omni Reference やキーフレームからの動画生成を呼び出せる。生成動画への別のアプローチとしては、Vast のオープンなリアルタイム世界モデル EdenLive の解説も参考になる。

価格・無料枠・提供地域

Kuaishou はリリースで Kling 4.0 の価格、プラン、無料枠、提供地域を発表していない。2026年10月22日時点で、Kling の公開料金ページにも Kling 4.0 固有の価格は見当たらなかった。API 自体が今後の提供予定のため、API 価格も未発表だ。

早見表

項目公式の数値
1回のネイティブ生成最長30秒
Omni Reference 合計最大15点(画像10、動画5、被写体7まで)
キーフレーム最大10枚
プロンプト長8,000トークン
HDR最大10ビット
動画延長最長2分(今後対応)
4K / 21:9今後対応
API今後提供