Google が、AI コーディングエージェント「Antigravity」の最上位の利用枠と Gemini 4 Argon を、最大1万人の科学者に半年間提供すると発表しました。費用はかからないとしています。対象は大学、学位を授与する教育機関、非営利の研究機関、国立研究所に所属して商業目的ではない研究をしている人で、修士・博士課程の学生も含まれます。ただし登録すれば誰でも使えるわけではなく、申請したうえで Google の選考を通る必要があります。
Google の Antigravity for science ページには "We're giving 10,000 scientists our highest usage tier in Google Antigravity and our most advanced Gemini 4 Argon model, free of charge." とあります。このページからリンクされている申請フォームでは、対象を "up to 10,000 selected scientists"、期間を6か月としています。Google がこのプログラムを最初に明らかにしたのは10月13日付の Gemini 4 Argon の発表記事で、科学者は "onboarded on a rolling basis"、つまり順次受け入れていき、"subject to eligibility, capacity, and selection" だと書いていました。ページにもフォームにも、この利用枠がどの有料プランに当たるのかは書かれていません。
この話題は今日の午後、X で改めて広まりました。北京時間10月18日15時24分に pengsonal というアカウントが「Antigravity Ultra が6か月無料」として申請方法を4行にまとめて投稿しています。ただし Google のページとフォームが使っているのは "highest usage tier" という言葉で、Ultra とは書いていません。
対象者について、フォームは "non-commercial scientific research conducted by researchers with an active affiliation at a university, degree-granting institution, non-profit research institute, or national laboratory" を支援するためのプログラムだと説明し、選考は "scientific credentials and potential research impact" などを総合して判断するとしています。Google は科学向けのページで研究室での使い方も紹介していて、アプリ内の Customizations マーケットプレイスから入れられる Science プラグインを使うと、AlphaGenome Atlas、UniProt、PubChem、ChEMBL など30以上の生命科学データベースをエージェントから使えるとしています。
申請は Google フォームから行います。フォームではまず、アップグレードを受けたい Google アカウントでログインしているかを確認されます。選ばれた場合、そのアカウントに適用されるからです。個人の Gmail アカウントでも、大学などの Google Workspace アカウントでも構いません。Google によると、提供されるのは個人向けの Antigravity サービスで、個人向けの利用規約が適用され、所属機関の Gemini Enterprise 契約を通じたものではありません。そのため、所属先が認めていれば個人アカウントを使うか、機関のアカウントで Antigravity にログインできるか先に確かめるよう勧めています。ほかに所属機関のメールアドレスと、研究室や研究グループの公開ページの URL も求められます。メールアドレスは所属の確認と連絡にだけ使われ、1つの Google アカウントにしかひも付けられないとしています。PI には職位がわかるページを、グループのサイトがない人には学科の名簿ページや指導教員のプロフィールを挙げるよう案内しています。
ORCID iD と Google Scholar の欄はそれぞれ任意ですが、どちらか一方でも有効なものを記入していないと審査の対象にならない、とフォームには書かれています。そのほか、立場、分野、1〜3個の研究キーワード、主な研究手法、この3か月でよく使った AI ツールとその頻度を答えます。ツールの欄は "None" でもよく、"You do not need to be an AI power user to apply." とあります。いちばん分量が多いのは研究計画で、今後6〜12か月に取り組む研究と Antigravity がどう役立ちそうかを、3〜4文、300字以上で書きます。機密に触れない、公開されている研究費の要旨程度の内容で、課題、アプローチ、見込まれる成果を含めるよう求めています。最後に、Google の研究・プロダクトチームとどの程度関わりたいかを、ときどきのアンケートからツールの共同開発まで、あるいは関わらないという選択肢から選びます。
フォームによると、Google は申請を審査し、"as capacity allows"、つまり枠に応じて毎週順次受け入れていきます。連絡が来るのは選ばれた人だけで、申請しても選ばれるとは限りません。また、フォームの回答は "building better services" などの目的にも使われる場合があること、提出する内容は機密や独自の情報を含まないものにすること、選ばれた人は Antigravity の設定でデータ収集をオフにできることも書かれています。
Google のページとフォームに書かれていないこともあります。申請の締め切りは示されていません。対象外の国や地域も挙げられていませんが、フォームでは居住する国・地域を尋ねています。支払いカードの登録が必要かどうか、6か月が過ぎたあとどうなるのか、有料プランに自動で切り替わるのかどうかも書かれていません。
