2026 年 10 月 20 日(北京時間ではおおよそ 10 月 20–21 日)、UCSD Hao AI Lab の FastVideo チームが Nuva Lab と協力し、FastH3 Omni を公開した。蒸留済みの MiniMax H3 で、参照条件つきの映像+音声一体生成(Ref2VA)向け。プロンプトに加え、順序付きの画像・動画・声の参照を渡すと、同期した音声付きクリップを出せる。公開デモは 5–15 秒のリクエスト長が多い。重みと ComfyUI 向け経路は公開済み。ローカル利用者にとって本質的な問いは「この GPU で動くか」「加速数字の測定条件は何か」「商用は許されるか」であり、「また新しい動画モデル」ではない。

公式が示すローカル経路:FastVideo は NVIDIA DGX Spark(GB10、統合メモリ 128 GB)と RTX 5090(32 GB)向けに NVFP4 QAD レシピを用意している。両プロファイルの既定解像度は 480p。Spark 側はモデル部品を常駐させ、RTX 5090 側は text encoder をオフロードし、事前計算した AdaLN テーブルが必要。NVFP4 非対応ハードは FP8 重みとデバイス設定(RTX 4090 のレイヤワイズ・オフロードを含む)および ComfyUI 用 FP8 チェックポイントへ。同梱の NVFP4 text encoder は Blackwell 前提で、それ以外の GPU は互換 BF16 encoder が必要。NVFP4 QAD と FP8 は別の数値バリアントで、Hugging Face の BF16 版と出力が一致するとは限らない。任意の NVFP4 VAE デコーダは 36 層の画質寄りと 8 層の速度寄りがあり、ローカルのメモリ/精度設定は別なので、下の 8 GPU 計測表をそのまま当てはめない。マルチ GPU の UniServe 配信は別トラックで、本記事はローカルとライセンスに絞る。

加速数字は条件付きで読む。8 枚の GB200、27 のマッチ済みワークロードで、FastH3 Omni は Base の MiniMax H3 Ref2VA に対し端到端レイテンシが 5.6–11.9× 低いと公式が示す。計測は参照エンコード・生成・デコード・完成 MP4 までを含み、キャンバスは 1344×768、Base は約 50 回、FastH3 Omni は 8 回の transformer 評価。これは DigIntoAI のベンチではなく、「家庭用 1 枚が約 12 倍速い」という意味でもない。ローカル 480p・オフロード・量子化レシピは、その 8 枚 GB200 の数字と一致しない。

ライセンスが「出荷できるか」のもう半分。FastH3 Omni の重みは MiniMax-H3 Community License Agreement に従う。Applicable Territory は全世界だが、Excluded Territories(EU、英国、韓国、米国)を除く。コミュニティ条項のもと、Applicable Territory 外での利用・配布・表示は認可されない。加えて、MiniMax H3 または MiniMax H3 Works を使う商用プロダクト/サービスの年間売上が 2000 万米ドル(または等価)を超える場合は、事前に MiniMax の書面認可が必要(ライセンス指定の件名で api@minimax.io)。よって「世界中で無制限に無料商用」とは書けない。私たちは FastH3 Omni をローカル実測しておらず、個別プロダクトのコンプライアンス監査もしていない——導入前に全文を読むこと。

MiniMax のオープンウェイト文脈は MiniMax M3.1 Flash のオープンウェイトが Hugging Face に公開。同じく消費級 Blackwell 1 枚のローカル動画スタックは EdenLive は RTX 5090 1 枚で動かせるオープンソースのリアルタイム世界モデル。参照駆動のショット制御を閉じた製品側で見るなら Kling 4.0 のキーフレームと参照素材で30秒のショットを演出する方法。