エラーの見え方
Gemini CLI の FAQ は、メッセージを「API error: 429 - Resource exhausted」と引用しています。API の応答がそのまま表示されることもあります。GitHub の Google の gemini-cli リポジトリで北京時間 5 月 7 日 18 時 15 分に立てられた issue 26633 では、ユーザーの merolen が、個人の Google アカウントでログインした Gemini CLI 0.41.2 の応答 {"error": {"code": 429, "message": "No capacity available for model on the server", "status": "RESOURCE_EXHAUSTED", "details": [{"reason": "MODEL_CAPACITY_EXHAUSTED"}]}} を貼っています。この issue はすでにクローズされています。
Google のドキュメントによる意味の説明
Gemini CLI の FAQ は、このエラーを「indicates that you have exceeded your API request limit」と説明し、「the Gemini API has rate limits to prevent abuse and ensure fair usage」としています。Gemini CLI のクォータのページは、リクエストはユーザーごと・分ごとに制限され、「are subject to the availability of the service in times of high demand」とも書いています。
Gemini API のレート制限のページは、上限の数え方を説明しています。上限はふつう 1 分あたりのリクエスト数、1 分あたりの入力トークン数、1 日あたりのリクエスト数で測られ、どれか 1 つを超えるとレート制限エラーになります。上限は API キーごとではなくプロジェクトごとにかかり、1 日あたりのリクエスト数の枠は太平洋時間の午前 0 時にリセットされ、試験版やプレビュー版のモデルは上限がより厳しくなっています。同じページには、10 分間の移動枠で測る支出ベースのレート制限(Tier 1 は 10 ドル、Tier 2 は 50 ドル、Tier 3 は 200 ドル)があり、これに達すると 429 RESOURCE_EXHAUSTED エラーが返ると書かれています。Google は「specified rate limits are not guaranteed and actual capacity may vary」とも説明しています。
Vertex AI については、Google Cloud のエラーコード 429 のページ(現在はドキュメントの Gemini Enterprise Agent Platform の区分にあります)が、「the number of your requests exceeds the capacity allocated to process requests」のときにこのエラーが返ると説明しています。従量課金では、メッセージは「Resource exhausted, please try again later.」です。
無料枠で使える量
北京時間 10 月 20 日 22 時 31 分に確認した Gemini CLI のクォータのページによると、個人向け Gemini Code Assist として Google アカウントでログインした場合は、1 ユーザー 1 日あたり最大 1,000 回のモデルリクエストを使え、リクエストは Gemini CLI が判断して Gemini モデルファミリー全体に振り分けます。無料の Gemini API キーでは 1 ユーザー 1 日あたり最大 250 回で、Flash モデルのみです。Vertex AI の Express Mode では、課金を有効にするまで 90 日間使え、枠はアカウントによって異なります。同じページには、Google AI Pro と Gemini Code Assist Standard が 1 日 1,500 回、Google AI Ultra、Gemini Code Assist Enterprise、Workspace AI Ultra が 2,000 回と載っています。Gemini API そのものについては、現在の上限は Google AI Studio に表示され、プロジェクトのティアやアカウントの状況が変わると自動的に更新されると Google は説明しています。
試せること
Google のドキュメントがまず挙げるのは、待って再試行することです。Gemini API のトラブルシューティングガイドは、429 RESOURCE_EXHAUSTED には指数バックオフを使い、最初の再試行の前に少し待ってから、間隔を徐々に延ばすよう勧めています。レート制限のページも、支出ベースの上限に達したときは少し時間をおいて再試行するよう書いています。Gemini CLI の FAQ は、短時間に多くのリクエストを送っている場合、プロンプトをまとめるか、リクエストの間に間隔を空けることも勧めています。
次に、いまの状況を確認します。Gemini CLI の FAQ は Google AI Studio か Google Cloud プロジェクトのダッシュボードで使用状況を見るよう案内しており、Gemini CLI の中では /stats model コマンドで現在のセッションのトークン使用量と、枠にかかる上限の情報を確認できます。Gemini API のレート制限のページによると、有効な上限は AI Studio で確認できます。
Gemini CLI が自動で別のモデルに移ることもあります。モデルルーティングのドキュメントによると、選んだモデルがクォータやサーバーのエラーなどで失敗すると、CLI はフォールバックの手順を始め、既定では確認したうえで、そのターンかセッションの残りをフォールバックモデルに切り替えます。コアのドキュメントは、既定の「pro」モデルがレート制限を受けた場合、CLI はそのセッションの間「flash」モデルに切り替えると補足しています。
ログイン方法を切り替えることも、ドキュメントにある方法です。/auth コマンドを実行すると認証方法を変更するダイアログが開きます。クォータのページは、1 日のリクエスト上限に達した場合や、アップグレード後でも Gemini Pro の枠を使い切った場合は、Gemini API キーか Vertex AI による従量課金に切り替えるのが「the recommended path for uninterrupted access」だとしています。この方法は 1 回ごとに課金されるため小さな呼び出しが多いと割高になることがあるとしつつ、「the only way to ensure your workflow isn't interrupted by reaching a limit on your quota」とも書いています。
最後に、上限そのものを引き上げる方法があります。個人は Google AI Pro か AI Ultra に、組織は Workspace AI Ultra か Gemini Code Assist の Standard または Enterprise にアップグレードできます。クォータのページによると、Google AI Plus、Workspace AI Standard と Plus、AI Expanded など、それ以外のプランは対象外です。FAQ は、Google AI Pro と Ultra の高い上限は Gemini CLI と Gemini Code Assist の IDE 拡張のエージェントモードで共有されると説明しています。FAQ とレート制限のページはどちらも、上限にたびたび達するなら Google に引き上げを申請できるとしています。Vertex AI の従量課金について、Google Cloud の 429 のページは、リージョンのエンドポイントではなくグローバルエンドポイントを使う、切り詰め指数バックオフで再試行する、モデルがクォータを使う場合はクォータ増加リクエストを出す、トラフィックをならして大きな急増を避ける、Provisioned Throughput を契約する、という方法を挙げています。プロジェクトの利用量が急増すると急増を抑える制限(acceleration limits)で 429 が出ることがあるとして、トラフィックを徐々に増やすことも勧めています。
