GitHub Copilotは、もうリクエスト単位では課金していない。2026年6月1日から全プランがGitHub AIクレジットによる課金に切り替わり、1クレジットはちょうど1セントだ。GitHubによれば、作業のコストを決めるのは二つだけで、選んだモデルと、そのモデルが読み書きするトークンの量である。小さなモデルへの短い質問なら1クレジットに満たないこともあるが、最先端モデルで長いエージェントセッションを回せば数十クレジットが消える。毎月の付与量は覚えやすい。GitHub Copilot Proが1,500、Pro+が7,000、Maxが20,000クレジットだ。厄介なのは、同じ付与量が1か月もつこともあれば半日で尽きることもあり、その差がほぼモデル選びだけで決まる点にある。

以下はGitHub Docs、GitHubブログ、GitHubチェンジログをもとに、北京時間2026年10月9日に確認した内容だ。GitHubの価格はすべて米ドル建てである。

プレミアムリクエストに代わったもの

6月1日より前、GitHub Copilotはプレミアムリクエストを数えていた。モデルとのやり取り1回でプレミアムリクエスト1単位を消費し、そこにモデルごとの倍率が掛かるので、高性能なモデルほど多くのプレミアムリクエストを使った。使い切っても、より安いモデルに切り替わって作業を続けられることがあった。

GitHubがこの変更を発表したのは4月27日だ。最高製品責任者のマリオ・ロドリゲス氏は、チャットでの軽い質問と何時間も続く自律的なコーディングセッションが「同じ料金になりうる」と書き、「現在のプレミアムリクエストの仕組みはもはや持続可能ではない」と説明した。新しい仕組みでは、やり取りごとに入力、出力、キャッシュのトークンを各モデルの公表単価で計算し、その合計をAIクレジットに換算する。安いモデルへの自動切り替えもこのとき廃止された。GitHubはフォールバックは「今後は提供されない」とし、組織向けのドキュメントには、予算を使い切っても低コストのモデルに自動で切り替わることはないと明記されている。

ただ、プレミアムリクエストが全員から消えたわけではない。GitHub Copilot ProかPro+を年払いで契約していた人は、その契約が終わるまでリクエスト単位の課金のままで、GitHubは6月1日にこうした年払いユーザー向けの倍率を引き上げた。現行の旧方式の表では、GPT-5.5がやり取り1回につき57プレミアムリクエスト、Claude Opus 4.8が27、Claude Sonnet 4.6が9、GPT-5 miniが0.33で、GitHub Copilotのコードレビューは1回13だ。GitHubは、旧方式の年払いプランには新しいモデルや機能が提供されないとも書いている。年払いの期間が終わるとGitHub Copilot Freeに移される。その前に乗り換えることもでき、解約して日割りで返金を受けるか、月払いプランにアップグレードして年払いの残り分を日割りのクレジットとして受け取るかを選べる。

古い解説記事に「倍率」という言葉が出てきたら、それが目印になる。GitHubによれば、倍率は旧方式だけの概念で、従量課金には当てはまらない。

プランごとの付与量

GitHubのドキュメントに載っている毎月の付与量は次のとおり。

  • GitHub Copilot Free: 一定量のAIクレジット。モデルは自動選択のみで、コード補完は月2,000回まで。クレジットの量は公表されていない。
  • GitHub Copilot Student: 認証を受けた学生は無料。こちらもクレジット量は非公表でモデルは自動選択のみだが、コード補完は無制限。
  • GitHub Copilot Pro(月10ドル): 1,500クレジット。内訳はベース1,000とフレックス枠500。
  • GitHub Copilot Pro+(月39ドル): 7,000クレジット。ベース3,900、フレックス3,100。
  • GitHub Copilot Max(月100ドル): 20,000クレジット。ベース10,000、フレックス10,000。
  • GitHub Copilot Business(1シート月19ドル): 1ユーザーあたり1,900クレジット。
  • GitHub Copilot Enterprise(1シート月39ドル): 1ユーザーあたり3,900クレジット。

個人向けプランの内訳には意図がある。ベースクレジットはサブスクリプション料金と1対1で対応し、GitHubはこれが変わることはないとしている。その上に乗るのがフレックス枠だ。GitHubはこれを「付与量のうち変動する部分」と呼び、「モデルの価格、新しいモデル、効率の向上など、AIの経済性の変化に合わせて調整するように設計されている」と説明する。つまりGitHubが維持を約束しているのはベースだけで、フレックスにはその約束がない。使う順番はベースが先で、それを超えるとフレックス枠が同じ単価で自動的に使われる。この点がいちばん効いてくるのはMaxで、20,000クレジットの半分がフレックスだ。

この構成は一度に決まったわけではない。4月の発表時点では、ProとPro+の付与量はそれぞれ料金と同額の10ドル分と39ドル分だった。切り替え前の5月12日、当初の量で「足りるのか」という声を受けて、GitHubはフレックス枠を追加し、Maxを新設した。Maxは6月1日に既存のStudent、Pro、Pro+ユーザー向けのアップグレード先として始まり、GitHubは6月17日からStudent、Pro、Pro+、Maxの新規登録を順次再開した。

クレジットを一切使わないものも二つある。コード補完と次の編集候補(next edit suggestions)は、有料プランならどれでも無制限だ。また、付与されたクレジットは翌月に繰り越せない。課金日がいつであっても、毎月1日の協定世界時0時、北京時間では午前8時に満額に戻る。

クレジットをドルとトークンに換算する

換算は見た目より簡単だ。1 AIクレジットは0.01ドルなので、100クレジットで1ドルになる。付与量もそのまま読み替えられ、Proの1,500クレジットは15ドル分、Pro+の7,000は70ドル分、Maxの20,000は200ドル分のモデル利用にあたる。GitHub自身も料金ページでこのドル表記を使っている。

トークンへの換算はもう一手間かかる。GitHubはモデルごとの価格を100万トークンあたりのドルで公表しており、入力、キャッシュ入力、出力、多くのモデルではキャッシュ書き込みに分かれている。どの価格も100倍すれば、100万トークンあたりのクレジット数になる。GitHubの料金表から、標準のコンテキストでの現在の単価をいくつか挙げる。

  • Claude Haiku 5.5: 入力0.10ドル、出力0.50ドル。100万トークンあたり10クレジットと50クレジット。入力が10万トークンを超えると0.50ドルと2.50ドルに上がる。
  • GPT-6 Luna: 入力0.10ドル、出力0.50ドル。Haiku 5.5と同じ。
  • GPT-6.1 Sol: 入力2ドル、出力10ドル。100万トークンあたり200クレジットと1,000クレジット。
  • Claude Sonnet 5.5: 入力2ドル、出力10ドル。
  • Claude Opus 5.5: 入力4ドル、出力20ドル。
  • GPT-6 Astra: 入力10ドル、出力50ドル。100万トークンあたり1,000クレジットと5,000クレジット。入力が27万2,000トークンを超えると20ドルと75ドルに上がる。

GitHubは、GitHub Copilotでは各モデルの公表APIレートを使うとしている。10月7日にClaude Haiku 5.5を提供開始した際も、このモデルは「プロバイダーの定価で課金される」と書いた。

GitHubは計算ツールを用意していないので、ここで実際に計算してみる。入力2万トークンを送って出力2,000トークンが返ってくるリクエスト1回、キャッシュなしという条件だ。Claude Haiku 5.5なら入力0.2クレジット、出力0.1クレジットで、合計0.3クレジット。同じリクエストがGPT-6.1 Solでは6クレジット、Claude Opus 5.5では12クレジット、GPT-6 Astraでは30クレジットになり、Haikuの100倍だ。Proの1,500クレジットに当てはめると、Haiku 5.5ならこうしたリクエストを約5,000回、Astraなら50回送れる計算になる。

実際のセッションはここまで単純ではない。エージェントのタスクはモデルを何度も呼び出すし、キャッシュ入力は通常の入力よりずっと安く課金される。GitHubによれば、セッションの途中でモデルを替えたり推論の強さを変えたりするとキャッシュが無効になり、コンテキスト全体が新しい入力として改めて課金される。それでも比率は変わらず、肝心なのはそこだ。トークン単価だけで見れば、モデルの選択欄はいまや100倍の幅を持つ料金のつまみになっている。自動モデル選択を使うと差がわずかに縮まり、有料プランではそれを通じた利用が10%割引になる。

この計算が通じない機能が一つある。GitHubによれば、GitHub Copilotのコードレビューはモデルを自動で選び、どのモデルかを明かさないので、レビュー1回あたりのコストはばらつき、料金表からは予測できない。さらに6月1日からは、プライベートリポジトリでのレビューごとにGitHub Actionsの実行時間も消費し、含まれる分を超えると通常のActions料金がかかる。パブリックリポジトリのレビューでは、Actionsの実行時間は引き続き無料だ。

クレジットを使い切ったら

個人プランで付与分を使い切ったときの選択肢は三つある。一つ目はアップグレードで、払うのは差額だけ。GitHubによれば、新しいプランの大きな付与量がすぐに使えるようになり、今月すでに使った分はそこから差し引かれる。二つ目は今のプランのまま追加利用の予算をドルで設定する方法で、1クレジット0.01ドルで引き落とされるため、10ドルの予算で1,000クレジット分になる。三つ目は1日のリセットを待つことだ。

予算を設定する方法には落とし穴がある。GitHubの6月1日のチェンジログは、「利用パターン、支払い履歴、ユーザーアカウントの認証状況に応じて、追加のAIクレジットの総量を制限する場合がある」としており、ドキュメントにも追加利用には「上限が設けられることがある」とある。その上限がどこにあるかは書かれていない。上限に達したら、すでに使った追加分を支払わないと先に進めない。iOSやAndroidのGitHub Mobileから契約した場合は、追加クレジット自体を購入できない。付与分の使用量が90%と100%に達したときにメールで知らせてもらうこともでき、自分で設定した予算なら75%、90%、100%で通知が届く。

長いエージェントタスクには、もっときめ細かい制御もある。GitHub Copilot CLIとGitHub Copilot SDKでは、タスクを始める前にAIクレジットのセッション上限を設定でき、上限に達するとエージェントはきれいに停止し、続けるかどうかを尋ねてくる。GitHubはこれを予算の代わりにはならないソフトリミットと位置づけている。

GitHub Copilot BusinessとEnterpriseの違い

組織向けもトークン単価は同じだが、仕組みが違う。Businessのシート1つにつき1,900クレジット、Enterpriseなら3,900クレジットが、請求単位ごとの共有プールに加わる。Businessのユーザーが100人いれば、100個の別々の枠ではなく、19万クレジットを全員で分け合う形になる。月の途中でシートを増やせばプールはすぐ大きくなるが、減らした場合に小さくなるのは翌月からだ。既存のBusinessとEnterpriseの顧客には、最初の3か月、6月1日から9月1日まで、1ユーザーあたり3,000と7,000クレジットのキャンペーン分が付き、その後は標準の量に戻るとGitHubのドキュメントは説明している。

管理者が気をつけたいのは初期設定だ。組織とエンタープライズでは追加利用が最初から有効になっていて、プールが空になっても、管理者が「AI Credits paid usage」のポリシーをオフにしない限り公表単価で利用が続く。そのうえで、GitHubはいくつかの予算を重ねられるようにしている。ユーザー単位の予算は、プールと有料の追加分の両方を含めて1人が使える量に上限をかけ、常に強制的に止まる。コストセンター、組織、エンタープライズの予算はプールが空になってから効くもので、「Stop usage when budget limit is reached」がオンのときにしか利用を止めない。GitHubによれば、この設定は初期状態ではオフだ。GitHubはさらに、エンタープライズの予算は月の総額の上限ではないと注意している。GitHub自身の例では、Businessのシート400個でライセンス料が7,600ドル、そこに5,000ドルのエンタープライズ予算を設定すると、請求額の上限は1万2,600ドルになる。

最近の変更で角が取れた部分もある。9月16日からは、上限に達したメンバーが予算の追加を申請でき、オーナーは設定画面から承認できるようになった。ただしマネージドユーザーを使うエンタープライズでは使えない。また10月1日からは、クレジットカードかPayPalで支払うBusinessとEnterpriseの顧客は、請求期間の初めに割り当て済みの全シート分を前払いすることになり、GitHubは付与量も月内で日割りになる場合があるとしている。

付与量のほかにプラン同士で違うのは主にモデルだ。GitHubのプラン表では、Businessが「プレミアムモデルへのアクセス」、Enterpriseが「プレミアムモデルへの優先アクセス」となっている。

AIクレジットはモデルを知る人に報いる

新しい仕組みには、プレミアムリクエストより明らかに公平な点がある。一行の質問と1時間のエージェント作業が同じ値段になることはもうない。その代わり、判断の手間はユーザー側に移った。付与量は軽いモデルなら気前がよく、上位のモデルでは心もとない。しかも付与量のうちフレックスの部分は、料金が変わらないまま動きうる。GitHub Copilotの使い方がチャットや小さな編集中心なら、Proの15ドル分のクレジットを軽量モデルで使えば十分もつだろう。AstraやOpus級のモデルでエージェントモードを使い込むなら、予算を設定するか上のプランに移ることを覚悟し、暴走したタスク一つでその月の枠を食い尽くさないようセッション上限も使いたい。OpenAIのCodexは、OpenAIが大きさを公表しない5時間枠と週間枠という別のやり方を取っている。これは記事「OpenAI、Codexの週間上限は非公開のまま ChatGPT各プランで実際に使える量を整理」で取り上げた。