GPT-6は無料で使えるようになった。ただし条件付きだ。OpenAIは10月8日から、ChatGPTの無料版とGoのユーザーにもGPT-6の提供を始めたが、これらのプランで実際に動いているのはGPT-6 Luna、つまりシリーズで最も効率を重視したモデルである。Plus、Pro、Business、Enterpriseなら、同じChatタブの中身はGPT-6 Solになる。最上位のGPT-6 Astraは、無料版とGoでは一切使えない。逆に、普段CodexやChatGPT Workしか使わない人は今回の話を気にしなくていい。OpenAIは、WorkとCodexを動かすモデルは今回のリリースでは変わらないと明言している。

展開は2段階だった。OpenAIの発表と10月7日付のChatGPTリリースノートによると、Intelligent UIを備えたGPT-6は10月7日にまずPlus、Pro、Business、Enterpriseに届き、無料版とGoには10月8日から広がった。日付はOpenAIの表記どおりで、開発者コミュニティへの投稿は北京時間10月8日3時13分だった。全世界での展開とされているが、個々のアカウントにいつ届くかは明かされていない。料金ページはすでに更新されていて、0ドルの無料プランには「GPT-6とのテキストチャット無制限」とある。同じページでは、無料版とGoにはGPT-6 Lunaが含まれ、GPT-6 Sol、GPT-6.1 Sol、GPT-6 Astraは含まれないことが示されている。

ところがヘルプセンターは追いついていない。ChatGPTのモデルに関するヘルプ記事には、無料版とGoのInstantはGPT-5.6 Lunaで、ThinkもGPT-5.6 Lunaが担うと書かれたままだ。発表、リリースノート、開発者コミュニティの投稿、システムカードはいずれもGPT-6 Lunaとしているので、この記事では発表に従う。もっとも、アカウントは順番に切り替わっているため、自分の無料版やGoがまだGPT-6 Lunaになっていないこともありうる。はっきりしないのはThinkのほうだ。無料版とGoのThinkがGPT-6 Lunaに移るのかどうか、OpenAIは説明しておらず、GoのヘルプページにはThinkはGPT-5.6 Lunaを使うと書かれたままになっている。

プランごとの割り当て

OpenAIによると、Chatタブでの割り当ては次のとおりだ。

  • 無料版(0ドル)とGo(月8ドル): GPT-6 Luna。難しい質問にはThinkを使える。GPT-6 SolとAstraは使えない。
  • Plus(月20ドル): GPT-6 SolのInstant、Medium、High。Extra HighとProは含まれない。
  • Pro(月100ドルから): GPT-6 SolをInstantからExtra Highまで使えるうえ、GPT-6 Astraで動くGPT-6 Proも付く。
  • BusinessとEnterprise: 思考レベルはProと同じで、GPT-6 Proも含む。Enterpriseでは管理者の設定次第となる。

モデルメニューで「Sol」の文字を探しても見つからない。有料プランに表示されるのは「GPT-6」で、OpenAIのヘルプ記事によれば、これが「Latest」に取って代わる。Latestを選んでいた人は同じ思考レベルのままGPT-6に移り、あえてGPT-5.6 Solを選んでいた人はGPT-5.6のままだ。今選べる旧モデルが廃止されることもない。

Chatの外に出ると、顔ぶれはまた変わる。ChatGPT WorkとCodexではGPT-6.1 Sol、GPT-6 Sol、GPT-6 Lunaを選べるが、OpenAIによればこれらは通常のChatGPTの会話では使えない。PlusはWorkとCodexでGPT-6 Astraを使えるものの、ChatのGPT-6 Proは対象外だ。無料版とGoはデスクトップアプリでWorkとCodexを限定的に使え、OpenAIのCodexモデルページはこうしたユーザーにGPT-6 Lunaを選ぶよう案内している。

Solは3つ、Lunaは2つ、Terraは存在しない

混乱の大半はOpenAIの命名から来ている。時系列で追うとわかりやすい。最初に登場したのはGPT-6 Astraで、9月3日の発表だった。OpenAIで最も高性能なモデルで、ChatではPro、Business、EnterpriseにGPT-6 Proとして提供される。PlusはWorkとCodexでしか使えず、無料版とGoには来ない。続いて9月22日、中位のGPT-6 Solと最も効率重視のGPT-6 LunaがWork、Codex、APIに登場し、無料版とGoのユーザーもデスクトップアプリでLunaを試せるようになった。その1週間後の9月29日には、OpenAIがWork、Codex、API向けにGPT-6.1 Solを出している。OpenAIによれば、エージェント型のコーディングやコンピューター操作、専門業務ではGPT-6 Astraに迫る性能だが、まだChatでは使えない。

今週Chatに入ったのは、SolとLunaの新しい版だ。OpenAIが10月7日にDeployment Safety Hubで公開した今回のシステムカードによると、新モデルはChatGPTでGPT-5.6 SolとGPT-5.6 Lunaを置き換える。一方、CodexとChatGPT WorkでGPT-6 SolとGPT-6 Lunaを使っているユーザーは、以前に公開された版を使い続ける。OpenAIは両者を月で呼び分けていて、Chat向けが10月版、WorkとCodex向けが9月版になる。

結果として、Solは3つになった。GPT-6 Sol(10月版)は有料プランのChatでGPT-6を動かすモデルで、Codexでは選べない。GPT-6 Sol(9月版)はWorkとCodexのモデル選択に並んでいるもので、APIでgpt-6-solとして提供されているのもこちらだ。そしてGPT-6.1 Solはより新しく性能も高いSolで、使えるのはWork、Codex、API(gpt-6.1-sol)に限られる。当サイトのGPT-5.5提供終了ガイドがCodex向けに勧めているのも、このモデルである。

では、検索でよく見かけるTerraは何か。GPT-6 Terraというモデルはない。正体はGPT-5.6 Terraで、旧世代GPT-5.6のモデルだ。OpenAIは性能、速度、コストのバランス型と位置づけている。通常のChatGPTの会話では選べず、有料プランならWorkとCodexで使える。無料版とGoはデスクトップ版のWorkとCodexで限定的に使え、APIでも提供されている。

SolがLunaに差をつけるところ

OpenAIは、Chat向けの2モデルをどちらも日常の会話向けに調整したと説明している。どちらもIntelligent UIに対応していて、回答にチャートやボタン、フォーム、計算機のような小さなツールが入ることもある。簡単な質問なら、無料版とPlusで大きな差は感じにくいかもしれない。差が出るのは、モデルにじっくり考えさせたいときだ。有料プランではGPT-6 SolをMediumとHighまで上げられ、Pro、Business、EnterpriseならExtra Highも使える。無料版とGoはInstantとThinkにとどまる。

一度に扱える量もプランで変わる。OpenAIの料金ページによると、Instantの総コンテキストウィンドウは無料版が27K、GoとPlusが54K、Proが128K。推論ではGoとPlusが256K、Proが400Kで、無料版は「Varies(変動)」となっている。

モデルそのものの品質差も、OpenAIの数字にはっきり出ている。10月版システムカードのHealthBench Professional(長さ調整後)では、GPT-6 Sol(10月版)が55.2、GPT-6 Luna(10月版)が48.2だった。とはいえ両者ともGPT-5.6の前モデルを上回っていて、OpenAIはハルシネーションの指標のほぼすべてで、どちらもGPT-5.6より事実誤認が少ないとしている。速度については、Web検索が必要な質問でGPT-6 InstantがGPT-5.6 Instantより平均44%早く回答を始めるという。これは回答が始まるまでの時間で、終わるまでの時間ではない。SolとLunaの内訳は公表されていない。

Intelligent UIはInstantからExtra Highまでで動くが、GPT-6 Astraを使うProオプションでは動かない。専用の利用枠もない。表示されないなら、まずアプリを疑いたい。OpenAIによると、macOSとWindowsの古いChatGPTデスクトップアプリは非対応で、Web版の利用を勧めている。ビジュアルが邪魔に感じる場合は、Web版の設定で「Layout and visuals」をオフにできる。それでも一部のビジュアル要素は残ることがある。

チャットは太っ腹、思考の上限はあいまい

利用上限については、OpenAIはCodexほどChatの数字を出していない。無料版とGoは日常的なテキストチャットが無制限で、不正利用防止の措置は適用される。ファイルのアップロード、画像生成、音声、データ分析などのツールには別の上限があり、Goのほうが高いものの、具体的な数字は非公表だ。Plus、Pro、Business、EnterpriseもThinkingの上限はプラン次第とされるだけで、GPT-6 Solの数字は出ていない。上限に達すると、ChatGPTが別の利用可能なモデルで続けることがある。

GPT-6 ProはProプランでも使い放題ではない。Pro 200ドルでは、GPT-6 Proの週間上限に達すると自動的にGPT-5.6 ThinkingのMediumに切り替わる。Pro 100ドルでは、GPT-6 ProとGPT-5.6 Sol Proが1つの週間枠を分け合う。こちらもメッセージ数は公表されていない。

WorkとCodexは別の共有枠で、こちらには目安が示されている。PlusとBusiness Standardの場合、5時間あたりのローカルメッセージ数はGPT-6 Astraが5〜45、GPT-6.1 Solが15〜160、GPT-6 Solが15〜150、GPT-6 Lunaが350〜3,000だ。あくまで目安で保証ではなく、週間上限がかかることもある。Pro 100、Pro 200、Pro 500には現在、WorkとCodexの5時間上限はない。

API価格と、どの版なのかという疑問

開発者向けの価格は以下のとおり。OpenAIのAPI料金ページとモデルページをもとにした100万トークンあたりの標準処理の価格で、コンテキスト272K未満の場合。2026年10月9日に確認した。

  • gpt-6-astra: 入力10ドル、キャッシュ入力1ドル、出力50ドル。
  • gpt-6.1-sol: 入力2ドル、キャッシュ入力0.10ドル、出力10ドル。
  • gpt-6-luna: 入力0.10ドル、キャッシュ入力0.01ドル、出力0.50ドル。
  • gpt-6-sol: モデルページによると入力2ドル、出力10ドル。同ページは現在、より新しいSolとしてgpt-6.1-solを案内している。

BatchとFlexは標準料金の半額、Fastモードは2倍で、いずれも当サイトのModel directoryにあるGPTの項目と一致する。

OpenAIがまだ明かしていないのは、APIのgpt-6-solとgpt-6-lunaが9月版なのか10月版なのかという点だ。料金ページにはchat-latestも入力5ドル、出力30ドルで載っていて、ドキュメントでは「ChatGPTで現在使われている最新のInstantモデル」を指すとされる。ただ、それが今どのGPT-6モデルなのかは書かれていない。OpenAIが説明するまでは、gpt-6-solやchat-latestを自分のChatGPTプランのGPT-6とまったく同じものと考えず、使う前にテストしておくのが無難だ。

Codexが中心の人へ

OpenAIによれば、Codexユーザーには何も変わらない。CodexとWorkではGPT-6 SolとGPT-6 Lunaが9月版のまま残り、プランに含まれていればGPT-6.1 SolとGPT-6 Astraも引き続き使える。GPT-6のために設定をいじる必要はない。気にすべき日付は今も10月14日で、この日GPT-5.5はChatGPT、ChatGPT Work、Codexから外れる。gpt-5.5を固定している設定があれば、それまでに置き換えておきたい。OpenAIのCodexモデルページは、複雑な作業にはGPT-6.1 Sol、範囲のはっきりした繰り返し作業にはLunaを勧めている。プランにAstraがあるなら、いちばん難しい仕事はAstraに任せればいい。設定の変え方はガイド記事「GPT-5.5 Leaves Codex on October 14: What to Switch to and What to Fix」に、プランごとの料金は「From $8 to $500: Every Major AI Coding Plan Compared (Oct 2026)」にまとめてある。

アップグレードが意味を持つ人

無料版で気軽にチャットしているだけなら、GPT-6のために課金する理由はない。展開が自分のアカウントに届けば、GPT-6 Lunaを無料で使える。Goにしてもモデルは変わらない。8ドルで得られるのはLunaのままツールの上限が上がることなので、その上限によくぶつかる人向けだ。GPT-6 Solに移れるのは20ドルのPlusからで、MediumとHighの思考が使えるほか、WorkとCodexでGPT-6 Astraも限定的に使える。Chatの中で最も強い回答を求めるなら、GPT-6 Pro(Astra)があるのはPro、Business、Enterpriseだけで、そこにも独自の上限がある。

有料プランなら、モデルメニューにはもう「GPT-6」が出ているはずだ。見当たらない場合、OpenAIはまだアカウントに展開されていない可能性があるとしている。